海洋散骨で船酔いが心配な方へ~安心して見送るための準備と当日の過ごし方~

執筆者:Tomo

海洋散骨で船酔いが心配な方へ~安心して見送るための準備と当日の過ごし方~

目次

海洋散骨での船酔いが心配

「大切な人を海へ見送りたい」「自然に還る、静かで自由なお別れを」

近年、こうした想いから海洋散骨を選ばれる人が増えています。

家族だけでクルーズ船を貸し切り、海の上で静かに手を合わせる時間は、とても穏やかで心に残るセレモニーとなります。

一方で、海洋散骨を検討されている遺族の方から、よくいただくご相談のひとつに「船酔いが心配なのですが、大丈夫でしょうか?」というお声があります。

特に、小さな子供や高齢の方が同乗される場合、または自身が「普段から乗り物酔いしやすい」と感じている人にとって、船酔いへの不安は無視できません。

故人との別れのひとときは、深い悲しみの中にありながらも、できる限り穏やかに過ごしたいという気持ちを、多くの人が抱えています。

そこで今回は、実際の海洋散骨の現場で行っている「船酔い」への対策や、安心して当日を迎えていただくためにどのような準備ができるのかについて、解説していきます。

よくあるご質問~海洋散骨と船酔いについて

Q1:海洋散骨って、やっぱり酔いやすいんですか?


A:乗り物に弱い方は、可能性があります。ただし、工夫次第で大幅に軽減できます。

使用する船は、大型の観光船のように揺れが少ないタイプではありません。多くの場合、中型から小型のプレジャーボートが使用されるため、波の影響を受けやすくなります。

ただし、散骨業者の多くは「揺れが少ない海域」や「比較的穏やかな時間帯」を選んで出航スケジュールを調整します。また、天候によっては前日に中止や延期を決定するなど、安全最優先で運行しています。

たとえば、弊社が対応しているフィリピン・セブ島やボラカイ島の散骨エリアでは、伝統的なアウトリガー付きの小型ボート「バンカ」や、帆掛け舟スタイルの「パラウ」といった船を利用して海に出ます。どちらも開放感があり美しい船ですが、構造上どうしても揺れを感じやすいことがありますので、船酔いが不安な方は事前にご相談ください。

パラウ船

Q2:当日、酔い止めは飲んだ方がいい?


A:はい。乗り物に不安のある方は、酔い止めの服用をおすすめします。

酔い止め薬は、船酔い予防に効果を発揮します。出航の30分~1時間前には服用し、水分も適度に取っておきましょう。

なお、心配な方は事前にかかりつけ医や薬剤師に相談して、体質に合った薬を選ぶと安心です。

Q3:どんな服装がいいですか?


A:身体を締め付けず、風通しのよい服装がベストです。

船酔いは、暑さや体の締め付け、視界の乱れなどによって悪化することがあります。軽くてゆったりした服を選び、帽子やサングラスで日差し対策をしながらも、視界が開けるようにするのがおすすめです。

Q4:朝ごはんは食べないほうがいい?


A:空腹も満腹もNG。軽めの食事がベターです。

空腹すぎると気分が悪くなりやすく、逆に食べすぎると消化不良で酔いやすくなります。おにぎりやパン、バナナなど、胃に優しく消化の良いものを、出航1~2時間前までに摂っておくとよいでしょう。

海洋散骨中に酔ってしまったときの対処法

「酔い止めも飲んだし、準備もしたのに、それでも酔ってしまった」

そんなときは、焦らないことが一番大切です。実際に散骨の現場では、何人かが軽い酔いを感じることがありますが、周囲が慌てず対応することで、状況は大きく改善されます。

・酔ったときの現場での対応ポイント


① 静かに座る/寝かせる


船室や日陰になる場所で横になることで、吐き気が和らぐことがあります。目を閉じ、深呼吸をするだけでもずいぶん落ち着きます。

② 頭を冷やす/風に当たる


風通しの良い場所で顔や首を冷やすと、回復が早くなります。

③ 散骨の時間だけは見守るスタイルでもOK


無理に立ったり、セレモニーに参加しようとする必要はありません。スタッフやご遺族が代わりに献花や献酒を行い、「◯◯さんの代わりに…」と声をかけるだけでも、十分に「参加した」という気持ちが残ります。

④ 酔いがひどい場合は早めに帰港する選択も


短時間のセレモニーであれば、回復を待たずに帰港する判断もできます。安全と体調が第一です。

海洋散骨で大切なのは、故人を想う心

海洋散骨は、大切な方を自然へとお見送りする、静かであたたかなお別れのかたちです。波の音に包まれながら、心を込めて手を合わせる時間は、ご遺族にとっても深く心に残るものとなります。

とはいえ、ふだん船に乗り慣れていない人にとっては、「船酔いしてしまったらどうしよう」と不安を感じるのも無理はありません。けれど、実際には事前の準備や当日のスタッフのサポートで、ほとんどの人が安心して参加できています。

そして、もし途中で酔ってしまったとしても、それを気に病む必要はありません。思いがけないことも含めて、そのひとときが大切な思い出として心に残っていくものだと思います。

大切なのは、「故人を想いながら、見送りの場に居ようとした気持ち」そのものです。たとえ手を合わせられなくても、言葉を交わせなくても、その想いはきっと届いています。

私たち散骨業者も、「安心して、心を込めてお別れができるように」全力でお手伝いしています。船酔いのこと、服装のこと、事前の不安、すべて遠慮なくご相談ください。スタッフが寄り添い、必要なサポートを行います。

心が揺れる時間だからこそ、体が揺れないように。そんなささやかな配慮を積み重ねながら、あなたにとって、そして故人にとって、特別な時間をお届けできればと思っています。

海の風や波の音、そして広い空のもとで、故人との時間を静かに過ごしていただけるよう、私たちも心を込めてお手伝いいたします。

まとめまとめ

1.海洋散骨を選ぶ人が増える中、船酔いへの不安に配慮した準備や対策が求められている

2.海洋散骨では船酔いの可能性があるため、酔い止めの服用や軽装、食事の工夫など事前準備が重要

3.船酔いしても焦らず、座って休む、見守るだけでも十分に想いを伝えられる

4.たとえ船酔いしても、故人を想う気持ちがあれば、きっと心に残る大切な時間になります

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