死後事務委任契約に関するトラブルと対策

執筆者:Tomo

死後事務委任契約に関するトラブルと対策

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死後の不安をなくす死後事務委任契約

超高齢化社会と言われている現在、頼れる家族がいなかったり、家族が遠方に住んでいるなどのことから「一人暮らし」をしている高齢者が多くいます。

しかし、もし自分に万が一のことがあった際「自分の死後はどうなるのか」「周りに迷惑を掛けてしまわないか」と不安になる人もいるでしょう。

そのような場合に備えて、生前に「死後事務委任契約」を結んでおくことも手段のひとつです。

死後事務委任契約とは「死後に行わなければならない事務や整理を、生前に第三者に依頼する契約」のことです。

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人が亡くなると、行政への届け出、葬儀や遺品整理、各種契約の精算と解約など、とても多くの手続きが必要になります。

しかし死後事務委任契約を結んでおくと、自分の死後に必要な様々な手続きを任せることができます。そして希望通りの死後事務を実行する手段として、近年注目を集めています。

しかし死後事務委任契約は、適切に結んでおかなければトラブルが起こりやすいという注意点もあります。

書類イメージ

死後事務委任契約に関する主なトラブル

・遺言書に死後事務を記載している


死後事務委任契約は結んでおらず、遺言書にだけ死後事務を記載している場合が多くあります。しかしそもそも契約を結んでいないので、トラブルに発展する以前の問題ですね。

遺産相続に関することは、遺言書に残す必要があります。しかし遺言書に死後事務に関する希望も記載していたとしても、希望通りの死後事務の実行を強制することはできません。

遺言書に記載された死後事務の希望は、あくまでも「お願い」になるのです。

死後事務委任契約と遺言書は併用することが出来るので、死後事務と遺産相続それぞれに明確な希望がある場合は、両方活用しましょう。

・親族が死後事務委任契約を把握していなかった


死後事務委任契約は委任者(依頼する人)と受任者(依頼される人)間の契約なので、委任者から親族に知らせない限りは、契約の存在や内容を知ることはありません。

そして死後事務委任契約を結んでいたことに驚いたり、契約内容について意見が合わず、揉める可能性があります。契約の存在すら知らなかった親族からしてみれば、簡単に受け入れられるものではありません。それによって死後事務がスムーズに進まなくなる恐れもあります。

・運営会社の経営破綻や倒産


運営会社の経営破綻や倒産のため、事業が中断される場合もあります。そして希望する死後事務が実行されないまま契約終了となってしまう場合があります。身元保証や死後事務を請け負った会社が倒産し、その後委任者に何の保証や返金もなく契約が終わってしまった事例もあったそうです。

・解約時に預託金が返還されない


死後事務委任契約を結ぶ際、ほとんどの場合で、受任者が死後事務を実行するための保証として預託金を預けます。預託金とは「一時的に第三者に預けるお金」のことです。

しかし何かの事情で死後事務委任契約を解約する際、預託金が返還されずトラブルになってしまうことがあります。

経営が悪化している会社では、預託金を売り上げとして計上し、資金繰りをしている場合もあります。そういった会社を選んでしまった場合、預託金の返還に応じてくれないリスクが発生します。

死後事務委任契約のトラブルを回避するために

・死後事務委任契約を公正証書として作成する


公正証書とは「公証人が作成する公文書」です。死後事務委任契約を公正証書として作成すると、内容に法的効力が発生します。契約の成立も明確になります。

死後事務委任契約を公正証書として作成するには、公証役場で内容の承認を受ける必要があります。そして委任者と受任者で公証役場に必要な書類を持って行き、死後事務委任契約の内容を提出します。内容に問題がなければ公証人が公正証書を作成し、正本と謄本が交付されます。

また【死後事務支援協会】でも、公正証書での作成をお願いしています。

・親族に伝える


親族がいる場合は、どこでどのような内容の死後事務委任契約を結んだのか伝えておくようにしましょう。自分の死後に、周りの人たちが揉めることのないように配慮することが大切です。また親族がいない場合は、友人や知人などに伝えましょう。

・業者を慎重に選び、預託金返還の流れを確認しておく


死後事務手続きにかかる費用は、手続き内容や会社によって異なりますが、費用と契約書作成手数料で約50~100万円、預託金で約50~150万円が相場と言われています。

安心して死後事務委任契約を結ぶためにも、預託金を預ける際は、その会社の経営状態や資金繰りの状況を調べたり、預託金の管理方法についても事前に確認しておきましょう。

また解約時の預託金返還についても確認しておくことが重要です。解約時に預託金が返還されるまでの流れや方法を、納得できる答えが得られるまで話し合いをしましょう。もし死後事務委任契約の預託金の返還を巡ってトラブルが発生してしまった場合は、消費者センターに相談しましょう。

書類

死後事務委任契約で叶える遺志

死後事務委任契約は委任者の遺志を実行することができ、また死後の不安を解消することもできます。それは故人の尊厳が守られることでもあります。

死後を任せられる人が身近にいない人にとって、死後事務委任契約を結ぶことで、安心して老後を過ごすことができます。しかし死後事務委任契約は、自分で手続きを進めていくのは大変です。なるべく専門家に依頼して契約しましょう。

また委任者の意思能力がある内に、死後事務委任契約を結ぶ必要があります。

例えば、委任者が認知症の場合は死後事務委任契約を結ぶことは基本的にできません。死後事務委任契約に限らず、当事者が認知症のように意思能力を有しない状態での契約は無効と【民法】で規定されています。

法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。民法第3条の2

老後の生活をより明るく楽しいものにするためにも、今から死後事務委任契約を結んでおくことを検討してみましょう。

また弊社では、身寄りのない場合のみ「散骨の実施について死後事務委任契約」をご本人様と直接結ばせていただくことが可能です。また、死後事務委任契約をご案内する場合でも追加の料金は一切不要です。

ご遺志を叶えるために誠心誠意サポートをさせていただきますので、安心してお問い合わせください。

まとめまとめ

1.死後事務委任契約とは自分の死後に必要な様々な手続きを、第三者に任せることができる契約

2.死後事務委任契約に関するトラブルとして遺言書に死後事務を記載していたため実行できなかったことや、運営会社の経営破綻や倒産のため保証や返金もなく契約が終わってしまったなどのことが挙げられる

3.死後事務委任契約のトラブルを回避するために死後事務委任契約を公正証書として作成したり、業者を慎重に選ぶことが大切

4.弊社では、身寄りのない場合のみ散骨の実施について死後事務委任契約をご本人様と直接結ばせていただくことが可能

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