遺骨をどう弔うか「決められない」人たちへ―日米の最新調査に見る、決断を後押しする対話と場所

執筆者:Tomo

遺骨をどう弔うか「決められない」人たちへ―日米の最新調査に見る、決断を後押しする対話と場所

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遺骨をどのように弔うか。多くのご遺族にとってこれは、「情報が足りないから決められない」という単純な話ではなく、「決めることそのものが、故人を手放すように感じてしまう」からこそ、時間がかかってしまう問題なのかもしれません。2026年8月末から9月にかけて、日本とアメリカでほぼ同時期に発表された二つの調査は、この感覚が国境を越えて共通するものであることを示しています。今回は、それぞれの調査結果を手がかりに、供養の「決められなさ」とどう向き合っていけばよいのかを考えてみます。

供養の選択肢は広がったのに、「決められない人」は減っていない

一般社団法人 終活協議会/想いコーポレーショングループが2026年8月27日に発表した「供養の多様化に関する実態調査2026」(終活ガイド資格受験者720名対象)によると、89.9%が「供養の形は近年多様化している」と実感していることがわかりました。

一方で、最もよく知られている供養の形は依然として一般墓(79.4%)であり、認知の中心はまだ従来型にあることも明らかになっています。ところが「自分や家族に合っている」と感じる供養の形を尋ねると、一般墓は51.3%まで下がり、納骨堂19.2%、樹木葬12.4%、海洋散骨11.8%、手元供養5.3%と、新しい供養の形への適合感も一定程度広がっている実態が見えてきました。

新しい供養の形に関心を持つ理由としてもっとも多かったのは「子どもや家族に負担をかけたくない」(52.5%)。しかし供養の形について家族と「ほとんど話したことがない」人は35.3%、「話したいがまだできていない」人は22.2%にのぼり、選択肢の広がりに、家族内の対話が追いついていない現状も浮かび上がりました。

アメリカでも「決められない」家族が3人に1人―遺骨のゆくえをめぐる最新調査

同じ時期、アメリカでも興味深い調査結果が報じられています。遺骨を「固形化した石」に加工するサービスを提供するParting Stone社が2026年9月1日に発表した調査によると、火葬後の遺骨を受け取った家族の34.5%が、その後どうするかをまだ決められていない「宙ぶらりんの状態」にあるとされています。特に決断に苦しむのは、遺骨を受け取ってから半年〜2年の間だといいます。

注目したいのは、その理由です。「選択肢についての情報が足りない」と答えた人はわずか7%にとどまり、決められない最大の理由(約4割)は「決めることが、故人を手放すことのように感じられるから」という、情報ではなく感情の問題でした。決められずにいる人のうち38%は心が落ち着かない状態にあり、決断していないことに罪悪感を抱く人はそうでない人の2倍にのぼるとも報告されています。

また遺骨を持つ人の42%(宙ぶらりんの状態にある人では56%)が「もっと話せる相手がほしい」と感じていることも明らかになりました。一方で、全体の65%、宙ぶらりんの状態にある人でも70%が「しっくりくる方法が見つかれば、新しい弔い方を歓迎したい」と答えており、決して「決めたくない」わけではなく、決め手となるきっかけを待っている人が多いことがうかがえます。

「決める」ためのヒント―対話と、心の拠り所となる場所

二つの調査に共通しているのは、供養の「決められなさ」は情報不足ではなく、気持ちの整理と、それを分かち合う相手の有無に関わっているということです。ここでは、決断を後押しするためのヒントを3つご紹介します。

・話し合いのきっかけを、小さく作る


「供養についてどう考えているか」を正面から切り出すのは、家族であっても難しいものです。エンディングノートへの記入や、法事・お盆など故人を思い出す機会に合わせて、少しずつ話題にしてみることが、対話の負担を軽くしてくれます。

・専門家や第三者に相談してみる


家族だけで抱え込むと、感情が先に立って話が進みにくくなることもあります。散骨や墓じまいの専門業者、終活相談窓口など、利害関係のない第三者に話を聞いてもらうことで、選択肢を客観的に整理しやすくなります。

・「また会いに行きたくなる場所」を持つ


Parting Stone社の調査が示すように、決断を先延ばしにする最大の理由は「手放すことへの抵抗感」でした。だとすれば、遺骨を「手放す」というより、「これからも会いに行ける場所ができる」と捉え直すことが、決断を後押しする一つの手がかりになるかもしれません。

夕暮れの浜辺を歩く家族のシルエット

弊社「海と森のセレモニー」がご提案している海外リゾート散骨も、そうした選択肢の一つです。海外の美しいリゾート地での散骨は、遺骨を「手放す」儀式であると同時に、その後も家族が何度でも訪れ、旅行を兼ねて故人を偲べる「場所」を持つことでもあります。実際にご依頼いただいたご家族の想いやエピソードは、以下の記事でもご紹介していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:【海外リゾート散骨に込められたご家族の想いとエピソード

まとめ―「決められない」は、責めることではなく寄り添うテーマ

供養の選択肢が増えたからこそ、かえって決めにくくなっているというのは、日本とアメリカに共通する、いま静かに広がりつつある感覚のようです。「決められない」のは情報不足のせいでも、故人への想いが足りないせいでもありません。気持ちの整理には時間がかかるものであり、その過程を一人で抱え込まないことこそが大切なのだと、今回の二つの調査は教えてくれます。

もしご家族の供養の形について迷いや悩みがあれば、まずは身近な人と少しずつ話してみること、そして専門家に相談してみることから始めてみてはいかがでしょうか。海と森のセレモニーでも、海外リゾート散骨に関するご相談を承っております。

参考:
【2026年最新】約9割が「供養の形は多様化している」と実感 ――「供養の多様化」に関する実態調査(一般社団法人 終活協議会)
Research from Parting Stone finds one in three families with cremated remains have not decided what comes next(GlobeNewswire)

まとめまとめ

1.終活協議会の調査では、89.9%が「供養は多様化した」と実感する一方、家族と供養について話したことがない人が35.3%にのぼる

2.アメリカのParting Stone社の調査では、遺骨を受け取った家族の34.5%がその後の扱いを決められていない状態にある

3.決断できない理由は情報不足ではなく、「決めることが手放すことのように感じられる」という感情面の問題が中心(情報不足と答えた人はわずか7%)

4.決断できていない人の56%が「もっと話せる相手がほしい」と感じている一方、65〜70%は「しっくりくる方法があれば新しい弔い方を歓迎したい」と回答

5.決断を後押しするヒントとして、家族との対話、専門家への相談、「また会いに行きたくなる場所」を持つことを紹介

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