日本で亡くなった外国人の母国での散骨
近年、日本には長期滞在する外国籍の人が増加しています。留学生、ビジネスマン、また日本人と結婚して永住権を取得する人など、生活の拠点を日本に置く外国人は年々多様化しています。
その中で、本人や家族が直面するのが、人生の終わりにまつわる選択です。
「亡くなった後、どこに還るか。」これは文化や信仰、家族の価値観によって大きく異なりますが、多くの外国籍の人が望まれるのが「母国での散骨」です。故郷の海、山、または家族が暮らす土地、そこへ還ることで、安心して眠りにつけると考える人は少なくありません。
散骨は、日本でも広まりつつありますが、海外ではより一般的に行われている地域もあります。
宗教や伝統、また自然との一体感を大切にする文化背景から、火葬後に海や山、特定の場所での散骨を希望する人は多く存在します。そのため、日本で亡くなった外国人が「母国での散骨」を希望するのは、ごく自然な流れと言えるでしょう。
母国での散骨実現までに必要な準備と課題
しかし、「母国で散骨したい」という想いを実現するには、いくつもの現実的な壁があります。
まず、日本から海外へ遺骨を送る際には、いくつかの書類の準備が必要です。具体的には、火葬証明書、死亡診断書、戸籍や住民票の一部、さらにはそれらの英訳や公的な認証が求められる場合があります。
これらの書類は自治体で発行されるものもあれば、医療機関や葬儀社が発行するものもあり、取得先がバラバラです。
次に、航空会社によって遺骨輸送のルールが異なる点も大きな課題です。多くの場合、遺骨は機内持ち込みが可能ですが、専用の容器(木箱や骨壺)に入れ、手荷物として安全に運べるよう梱包しなければなりません。中には手荷物としての受け入れを拒否する航空会社や、事前の申請が必要なケースもあり、確認をしなけれなりません。
さらに大きな問題は、母国での散骨が法的に認められているかどうかです。国や地域によっては、散骨が違法である場合や、許可されている場所でのみの場合があります。また、現地の宗教観や慣習によって、形式やタイミングに制限があることも考慮しなければなりません。
そして、それらをすべて個人で対応するのは、時間的・心理的にも大きな負担になるでしょう。
散骨が可能な国・地域の一例~弊社対応プラン(フィリピン・フィンランド・オーストラリア)
散骨が可能かどうかは国によって大きく異なります。そこで、弊社が対応している国・地域の一部を例に挙げてご紹介します。
・フィリピン
フィリピンでは海洋散骨が広く認められており、特にセブやマクタン島周辺、ボラカイ島では、穏やかな海と豊かな自然の中での散骨が可能です。現地の文化的背景としても自然回帰の思想があり、宗教的な抵抗も少ないため、散骨が比較的受け入れられています。
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・フィンランド
フィンランドでは、国が管理する自然保護区などで許可を得た上での散骨が認められています。弊社は、フィンランド南部に位置する「シポーンコルピ国立公園」における散骨許可書を正式に保有しており、現地の法令や環境配慮に則った形で散骨を行う体制を整えています。静けさと豊かな自然に囲まれたこの地でのセレモニーは、ご遺族にとっても心穏やかな時間となることでしょう。
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・オーストラリア(グレートバリアリーフ)
オーストラリアでは、環境保護の観点から散骨に関するルールが厳格に定められていますが、申請手続きや安全管理をきちんと行えば、グレートバリアリーフのような美しい海域での散骨も認められています。
関連記事:【オーストラリアで海外散骨~グレートバリアリーフの魅力と散骨に関する法律~】
・その他ヨーロッパの一部地域について
このほかにも、ヨーロッパの一部地域では、地域ごとに定められたルールを守ることで散骨が認められている場所があります。弊社では、そうした地域での散骨にも対応しており、法令や慣習に即した形で手続きを進めることが可能です。
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海外での散骨を安心して実現
「母国で静かに眠りたい。」その故人の想いは、ご遺族にとっても心に深く残る大切な願いです。
生まれ育った場所での散骨は、人生を締めくくる選択肢として、尊重されるべきものだと私たちは考えています。
「何から手をつければいいのかわからない」「手続きが複雑そうで不安」と感じている方も多くいらっしゃいます。まずは一度ご相談ください。状況を整理しながら、必要な準備や進め方をわかりやすくご案内いたします。
これまで弊社では、海外での散骨を希望されるご家族に対し、日本国内での準備や必要書類のサポートを行ってまいりました。遠方やご事情により現地へ行けない場合には、現地での散骨を弊社スタッフが代行する「代理散骨」も承っております。
現実的な課題にも丁寧に対応し、費用やスケジュールについてもご不安なくご検討いただけるよう、具体的にご説明いたします。
最期の時間を、自分らしく、納得のいくかたちで迎えていただくために、ご遺族の想いに寄り添いながら、できる限り負担の少ない方法でお手伝いさせていただきます。