泣くだけではない、笑顔で見送るお葬式
日本で「葬儀」といえば、厳かで静かな場を思い浮かべる方が多いでしょう。大切な人との最後のお別れは、やはり悲しいものです。
けれど最近は、故人を悼む気持ちはそのままに、故人の人生を振り返り、笑顔で温かく送り出す「明るいお葬式」を選ぶ人も増えています。「自分の葬儀は明るくしてほしい」という故人の願いから行われることもあります。
2024年1月に亡くなった電撃ネットワークの南部虎弾さんの葬儀でも、クラッカーが鳴らされるなど、故人らしい華やかな見送りが行われたと報じられました。
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また、弊社の散骨エリアでもあるフィリピンや、インドネシアのトラジャ族にも、大勢が集まって賑やかに故人を送り出す文化があります。
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笑顔で見送ることは、故人を軽んじることではなく、その人生を誇らしく称えるひとつのかたちなのです。
世界の明るい葬儀~ガーナ・メキシコ・オーストラリア
世界には、明るく賑やかに故人を送る文化を持つ国や地域があります。
・ガーナ~棺を担いで踊る葬列
西アフリカのガーナでは、葬儀は多くの人が集う大切な行事です。棺を担ぐ人たちが音楽に合わせて踊りながら運ぶ「棺桉ダンス」は、動画を通じて世界中で知られるようになりました。また首都アクラ周辺では、魚や飛行機、車など、故人の仕事や人生を表した形の「ファンタジー棺桉」で送り出す文化も知られています。死を「終わり」ではなく新たな旅立ちと捉え、みんなで送り出す考え方が根底にあるといわれます。
・メキシコ~死者を迎えて祝う「死者の日」
メキシコでは毎年11月のはじめに「死者の日(ディア・デ・ムエルトス)」が行われ、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。故人の魂が家族のもとに帰ってくるとされ、マリーゴールドの花や故人の好物、ガイコツの飾りで祭壇を彩り、音楽とともににぎやかに迎えます。日本のお盆とも似た、「死は永遠の別れではない」という死生観が感じられます。葬儀の場でも、メキシコの伝統音楽「マリアッチ」が演奏されることがあります。
・オーストラリア~人生を祝う「セレブレーション・オブ・ライフ」
オーストラリアや欧米では、故人の人生を振り返り、その歩みを祝う「セレブレーション・オブ・ライフ(人生を祝う会)」という形のお別れが広がっています。弔辞で故人の面白いエピソードが語られたり、思い出の写真が映し出されたりして、会場が笑いに包まれることも珍しくありません。
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日本でも広がる、自分らしい見送りのかたち
日本でも、従来の形式にとらわれない、故人らしさを大切にした見送りが少しずつ広がっています。
・音楽葬
故人が好きだった曲を流したり、生演奏で送り出したりする葬儀です。ハワイアンの生演奏や、僧侶によるバンド演奏でお経を届ける取り組みなども話題になっています。思い出の曲は、参列者それぞれの心に故人との記憶を鮮やかによみがえらせてくれます。
・餅つきなどの参加型の演出
餅が好きだった故人の希望で、参列者が掛け声とともに餅をつき、つきたての餅を味わって送り出したという例もあります。大往生を遂げた故人を、みんなで元気よく送り出す演出です。
・エンディングドレス
白い死装束の代わりに、故人の好みに合わせたドレスや服で旅立ちを迎える選択肢もあります。「人生の最後の晴れ舞台だからこそ、好きな装いで」という想いから生まれたものです。
・生前葬・お別れ会
元気なうちに自ら主催して感謝を伝える「生前葬」や、葬儀とは別にホテルやレストランで故人を偲ぶ「お別れ会」など、形式にとらわれない会も行われています。
ただし、宗教者や親族の考え方によっては、形式を大きく変えることに戸惑う人もいます。想いを形にする前に、家族や葬儀社とよく相談しておくと安心です。

明るいお葬式にも、悲しみは確かにある
「明るい葬儀なんて不謹慎ではないか」と感じる方もいるかもしれません。ですが、どんなに明るく賑やかな葬儀でも、そこには必ず悲しみがあります。笑顔で送り出すことは、悲しみを否定することではなく、悲しみと一緒に感謝も伝えることなのだと思います。
故人の思い出話で笑い合う時間は、残された人たちが前を向くきっかけにもなります。葉儀や供養は、残された人のグリーフケアとしての役割も持っているのです。
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葬儀を「死を悲しむ場」だけでなく、「人生を全うした故人を称える場」にする。お墓や供養のかたちが多様になっているように、見送りのかたちも、もっと自由でいいのかもしれません。「明日からまた頑張ろう」と思えるようなお別れを、ご家族で考えてみてはいかがでしょうか。












