ディズニーランドで散骨はできる?海外で相次ぐ無許可散骨の実態と、日本の法律・マナー

執筆者:Tomo

ディズニーランドで散骨はできる?海外で相次ぐ無許可散骨の実態と、日本の法律・マナー

目次

大好きだったディズニーランドで散骨したい―その想いと現実

近年、故人の供養方法として、遺骨を海や森といった自然に還す「散骨」を選ぶ方が増えています。

散骨の場所は、「故人が好きだった場所」「家族との思い出が詰まった場所」など、故人の人柄や想いに寄り添って選ばれることが多いものです。そして遺された家族にとっては、「これから何度でも会いに行きたい場所」であることも大切な条件になります。

そう考えたとき、真っ先に「ディズニーランド」が思い浮かぶ方もいるかもしれません。何度訪れても新しい発見と感動があり、家族や友人との楽しい時間がたくさん刻まれた夢の国です。実際にアメリカのディズニーパークでは、来園者が無許可で遺灰をまく行為がたびたび起きていると報じられています。

大切な人を、その人がいちばん輝いていた場所へ還してあげたい。その気持ちは痛いほどよくわかります。ただ、想いが強いからこそ知っておいていただきたい現実とルールがあります。この記事では、海外で起きている無許可散骨の実態と、日本の法律・マナーから見た注意点、そして「思い出の場所」を大切にしながらルールの中で故人を偲ぶ方法をご紹介します。

ミッキー観覧車

アメリカのディズニーパークで相次ぐ無許可散骨の実態

フロリダ州オーランドの「ウォルト・ディズニー・ワールド」と、カリフォルニア州アナハイムの「ディズニーランド」は、世界中のファンにとって特別な場所です。実はこの二つのパークが、一部の遺族のあいだで"ひそかな散骨場所"になってしまっているという実態があります。

2018年に米経済紙【The Wall Street Journal】が報じた記事では、ディズニーが大好きだった母親の遺灰を薬の容器に入れてこっそり持ち込み、「イッツ・ア・スモールワールド」やシンデレラ城周辺の芝生などにまいたという人の体験談が紹介されました。本人にとっては、ディズニーを愛した母への「究極の贈り物」のつもりだったといいます。

報道によると、遺灰がまかれる場所として特に多いのが、幽霊屋敷をテーマにしたアトラクション「ホーンテッドマンション」だとされています。ほかにも「カリブの海賊」の水路や花壇、植え込みなどで見つかることがあるそうです。

遺灰と思われるものが見つかると、アトラクションは運営を一時停止し、微細な粒子まで吸い取れるHEPAフィルター付きの掃除機で清掃されるといいます。2024年には米メディア【SFGATE】が、元清掃スタッフの著書をもとに、こうした清掃のためにアトラクションが長時間止まることもあると伝えました。同じ2024年の11月にも、フロリダのホーンテッドマンションで遺灰をまく行為があり、アトラクションが一時停止・退避の対応になったと報じられており、この問題は決して過去の話ではありません。

さらに、吸い取られた遺灰はほかのゴミと一緒に処分されてしまうとも指摘されています。故人を夢の国へ還してあげたいという願いとは裏腹に、無許可の散骨は、故人にとっても遺族にとっても望んだ結末にはならないのです。

ディズニーお城

日本でテーマパークに無許可で散骨するとどうなる?~法律とマナー~

もちろん、ディズニーのパーク内での散骨は認められていません。前述のWSJの記事でも、ディズニーの広報担当者は、こうした行為は固く禁じられており、遺灰をまこうとする来園者には退園してもらうと説明しています。

日本でも考え方は同じです。東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)など、他人が所有・運営するテーマパークや施設で、無許可で散骨することはできません。無許可で散骨をした場合、主に次のような法的リスクが考えられます。

・業務妨害罪に問われる可能性


営業中の施設で遺灰をまき、アトラクションの停止や清掃対応を余儀なくさせた場合、状況によっては業務妨害罪に問われる可能性があります。

虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。刑法第233条

なお、2025年6月1日施行の改正刑法により、これまでの「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。また、威力を用いて業務を妨害した場合も、刑法第234条により同様に処罰の対象となります。

・損害賠償を請求される可能性


故意や過失によって他人の利益を侵害した場合には、民法上の「不法行為」として損害賠償を請求される可能性があります。

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。民法第709条

散骨に対する受け止め方は人それぞれで、嫌悪感を抱く方もいます。アトラクション停止による営業上の損失に加え、施設のイメージダウンにつながる風評被害が生じた場合には、その損害の賠償を求められる可能性も否定できません。

・遺骨遺棄罪との関係


刑法第190条は、遺骨を遺棄する行為などを処罰の対象としています。散骨については、1991年に法務省が「節度をもって葬送の一つとして行われる限り」違法ではないとの見解を示したと報じられており、これが現在の散骨の前提になっています。裏を返せば、場所や方法への配慮を欠いた散骨は「節度ある葬送」とはいえず、問題視されるおそれがあるということです。

現在の日本には、散骨を正面から認めたり禁止したりする法律はありません。一方で、厚生労働省は2021年に「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」を公表しており、関係法令の遵守や散骨を行う場所の選定、周囲の人々の宗教感情への配慮などを求めています。また、条例によって散骨を規制・制限している自治体もあります。

関連記事:【散骨できない場所~条例規制やマナー~】

関連記事:【散骨はよくないことなのか~法律と環境汚染の観点から~】

法律で明確に禁止されていないからこそ、マナーやモラルを守り、周囲への配慮を忘れないことが大切です。なにより、大好きだったテーマパークに迷惑をかけることは、きっと故人も望んでいないはずです。

「思い出の場所」を大切にする、ルールの中での弔い方

では、「思い出の場所で眠らせてあげたい」という願いは、あきらめるしかないのでしょうか。実は、ルールを守りながら、その想いを形にする方法はいくつもあります。

・思い出の場所を「お墓参りの行き先」にする


WSJの記事に登場した方は、「お墓参りはディズニーランドに行く」と話していたそうです。散骨そのものは認められた場所できちんと行い、故人の好きだった場所には、命日や誕生日に家族そろって出かけて思い出を語り合う。それだけで、その場所は家族にとって立派な"心のお墓"になります。

・遺骨の一部を手元に残す


散骨する遺骨とは別に、ごく一部をペンダントや小さな骨壷に納めて手元に残す「手元供養」を組み合わせる方法もあります。思い出の場所へ出かけるときに一緒に連れて行けば、故人と同じ景色を見ているような気持ちになれるかもしれません。

関連記事:【手元供養とは?メリット・デメリットと注意点、手元供養品の種類と散骨との組み合わせ方】

・散骨事業者に相談し、許された場所で散骨する


「海が好きだった」「あの国の景色が忘れられない」など、故人の想いの根っこにあるものをたどっていくと、ルールの中で叶えられる散骨の形が見つかることも少なくありません。場所選びに迷ったら、法令やガイドラインに沿って散骨を行う事業者に相談してみるのがおすすめです。

関連記事:【ロックフェスで息子の遺灰をまいた母―「思い出の場所で眠らせたい」という願いを、ルールの中で叶えるには】

お墓参りが楽しみになる海外リゾート散骨

ディズニーに遺灰をまいた人が「お墓参りはディズニーランドに行く」と話していたように、お墓参りの場所が「何度でも行きたくなる場所」であれば、故人を偲ぶ時間そのものが楽しみに変わります。

弊社では、フィリピンのセブやオーストラリアなど、世界の「リゾート地」で散骨を行っています。リゾート地とは、休暇や余暇を過ごすために人々が何度も訪れる場所のこと。「東京ディズニーリゾート」が何度でも行きたくなるように、海外のリゾート地で散骨することで、お墓参りを兼ねて何度も訪れたくなる場所が生まれます。

雄大な自然の中へ故人を還し、お墓参りではその地でゆっくりと故人を偲ぶ。そんな時間は、日々の忙しさで疲れた心を癒してくれるはずです。

関連記事:【海外リゾート散骨の魅力~フィリピン・フィンランド・オーストラリアでの散骨と供養~】

関連記事:【海洋散骨とは?選ばれる理由と費用の目安、海外リゾート散骨という新しい選択肢】

関連記事:【フィリピン・セブ島での散骨とお墓参り~故人を弔い旅行も楽しもう~】

お墓参りを旅行や家族のイベントにすることで、これまで「行かなければ」と感じていたお墓参りが、待ち遠しく心華やぐ時間に変わるかもしれません。

従来の形式や常識にとらわれず、それぞれのやり方で自由に、そして良い気持ちで故人を偲ぶこと。それこそが、いちばん大切な供養なのではないでしょうか。

参考:
The Wall Street Journal日本版(2018年)
SFGATE「'Not a pretty fate': Disney rides shut down because people dump cremated ashes」(2024年)
Disney Dining「Haunted Mansion Closes After Guest Scatters Human Remains」(2024年)
e-Gov法令検索「刑法」
e-Gov法令検索「民法」
一般財団法人 地方自治研究機構「散骨を規制する条例」

まとめまとめ

1.アメリカのディズニーパークでは来園者が無許可で遺灰をまく行為がたびたび起きており、2024年にもアトラクションが停止する事態が報じられた

2.遺灰がまかれやすい場所として特に多いのがホーンテッドマンションとされる

3.日本でも他人が所有・運営するテーマパークでは無許可で散骨することはできず、業務妨害罪(2025年6月から拘禁刑)や損害賠償のリスクがある

4.散骨を直接規制する法律はないが、厚生労働省のガイドラインや自治体の条例があり、節度ある葬送としての配慮が欠かせない

5.思い出の場所はお墓参りの行き先にする、手元供養と組み合わせるなど、ルールの中で想いを形にする方法がある

タグ

おすすめ記事

Contact

海外散骨のご相談・お申し込み

どのような些細なことでも、お気軽にご相談ください。
全国どこからでも、ご来店なしでお申し込みいただけます。