海外散骨事情~アメリカ・グランドキャニオンの散骨規制~

執筆者:Tomo

海外散骨事情~アメリカ・グランドキャニオンの散骨規制~

目次

アメリカ・グランドキャニオンでの散骨は違法?

近年、故人の供養方法として「散骨」が注目されています。

しかし散骨ができる国や場所は限られているため、すべての場所で実施できるわけではありません。その国や地域の文化や宗教、自然環境、歴史的背景、そして法的な規制が異なります。

関連記事:【散骨できない場所~条例規制やマナー~

関連記事:【海外の散骨事情~ドイツ編~

たとえば、アメリカの「グランドキャニオン国立公園」は、世界的にも有名な絶景スポットであるため、憧れのこの地で散骨を希望する人も少なくありません。

しかしグランドキャニオンでの散骨は法律で禁止されており、許可されていません。たとえ故人が愛していた場所や思い出の地であっても、グランドキャニオンでの散骨は認められていないのです。

アメリカ・グランドキャニオンにおける散骨の現状

・散骨の可否について


グランドキャニオンでは、散骨は法律で許可されていません。以前は、Special Use Permitを取れば、一部の場所で散骨ができる場合もあったそうですが、今では公園の管理者がそのような許可を出さない方針にしているため、実質的にグランドキャニオンで散骨をすることは全面的に禁止されています。もしも規則に違反して散骨を行うと、法に触れるため、厳しい罰則を受ける可能性があります。

・環境規制や法的制約


グランドキャニオンは、独自の地質構造や自然の生態系となっています。その環境を守るため、とても厳しい規則で管理されています。たとえ少量の遺灰であっても、自然のバランスに悪い影響を及ぼす可能性があるとされています。これは人間だけでなく、ペットの遺骨にも同じことが言えます。

さらに、グランドキャニオンは地元住民や先住民にとって大切な聖地とされています。特に先住民族は、何世紀にもわたってこの地を神聖な場所と考え、伝統的な信仰を持ってきました。そのため、遺灰をこの場所に撒くことは、先住民の信仰や文化的価値を損ねる行為だと見なされます。

実際、11の先住部族からの意見を聞いた結果、グランドキャニオンやその周辺は伝統文化財として非常に高く評価されており、散骨を許すことが地域の歴史や文化を傷つける可能性があるとされています。

また、アメリカの国定歴史保存法(NHPA)や先住民の遺骨保護法(NAGPRA)といった文化遺産を守る法律にも抵触する可能性があるため、グランドキャニオンでは散骨が法律的にも厳しく禁止されているのです。

・散骨方法について


グランドキャニオンでの散骨は、どんな方法をとっても許可は出ません。
たとえば、絶景が広がる断崖(リム)から、風に乗せて遺灰を谷底に向けて撒くといった方法でも、規則に違反するため実施することはできません。また現在、散骨をするために事前に許可を取れる特定のエリアも一切存在しません。

このように、グランドキャニオンでは、環境を守るため、人々の信仰や文化を尊重するため、そして公園全体の歴史的価値を保護するために、散骨が完全に禁止されているのです。

グランドキャニオン

アメリカ・グランドキャニオンの散骨禁止の背景と人々の声

グランドキャニオンは、とても美しく大切な場所です。しかし、この場所で散骨をすることは認められていません。それはこの場所に関わる様々な人たち(観光客、研究者、地元の住民、先住民族)の意見や気持ちを守るためという理由もあります。

・観光客


多くの人がグランドキャニオンを見に世界中から訪れ、その素晴らしい景色を楽しんでいます。もし散骨が行われると、景色に変化が出てしまい、観光の魅力が損なわれるかもしれません。

・研究者


グランドキャニオンの自然や地質を詳しく調べています。散骨によって自然環境にどんな影響があるのか、まだはっきりしていない部分があり、調査の結果に悪影響を及ぼすかもしれません。研究者たちは、研究活動の信頼性や環境モニタリングに支障をきたす可能性があることを非常に懸念されています。

・地元住民


毎日の生活の中でグランドキャニオンの環境と向き合っています。住んでいる地域が大切に守られてほしいという思いがあり、散骨が生活環境にどんな影響を与えるのか心配されるのです。そして地域社会全体の伝統や精神性に対する無理解と感じられ、反発が生じることも考えられます。

・先住民族


彼らにとって、グランドキャニオンは神聖な儀式や伝統的な信仰の中心であり、祖先の霊が宿る場所です。先住民族の伝統や信仰は、口伝や儀式、祭りなどを通じて世代を超えて受け継がれてきました。この神聖な土地で散骨が行われた場合、先住民族はそれを自らの聖域に対する侵害と受け取り、深い精神的ショックや文化的衝突が生じる可能性が高いです。先住民族の信仰や文化の尊厳を傷つけるだけでなく、地域全体の歴史的価値をも損なう恐れもあります。

このように、様々な立場の人たちの意見や気持ちがあるため、グランドキャニオンの管理者は、誰か一人の意見だけではなく、すべての人たちの声を考え、地域全体の調和、公共の利益と尊厳を守るために、散骨は一切認められていないのです。

海と森のセレモニーで見つける最適な海外散骨

散骨はすべての場所で実施できるわけではなく、国や地域の文化、信仰、環境、法規制を考慮する必要があります。

グランドキャニオンでは、先住民族の信仰の尊重、環境保護、文化遺産を守るため、散骨が法律で厳しく禁止されています。また様々な人にとっての大切な聖地であります。たとえ少量の遺灰であっても、生態系や景観、地域社会の価値観に影響を与える可能性があるため、規則に違反する散骨は許されていません。

そのため、故人への想いを尊重しながらも、散骨が認められている場所を選ぶことが重要です。 海洋散骨や特定の森林エリアなど、法的に許可された場所を検討し、事前に必要な手続きを確認します。

関連記事:【海外の散骨事情~イギリス編~

関連記事:【海外散骨事情~イギリス・リゾート地編~

関連記事:【海外の散骨事情~オランダ編~

関連記事:【海外の散骨事情~フィンランド編①~

関連記事:【海外の散骨事情~フィンランド編②~

関連記事:【海外散骨事情~イタリア編~

関連記事:【海外散骨事情~フランス編~

関連記事:【海外散骨事情~フランス・リゾート地編~

関連記事:【海外散骨事情~スイス編~

散骨を希望される場合は、その土地の法律や文化、環境への影響を十分に考慮した場所を選ぶことが大切です。しかし、海外での散骨に関する規制や手続きは国や地域によって異なり、不安を感じることもあるかもしれません。

「どこで散骨できるのか分からない」「手続きが複雑で不安」 という方は、ぜひ弊社にご相談ください。海外代理散骨、情報提供やサポートも行い、安心して故人を偲ぶお手伝いをさせていただきます。

まとめまとめ

1.アメリカのグランドキャニオン国立公園では散骨が禁止されている

2.グランドキャニオンでは、環境保護や先住民族の信仰、法律上の規制により、あらゆる方法での散骨が全面的に禁止されている

3.グランドキャニオンでは、観光客、研究者、地元住民、先住民族の意見や尊厳を守ることからも、散骨が禁止されている

4.散骨は国や地域ごとの文化・信仰・環境・法律を考慮する必要があるため、海外での散骨はぜひ弊社にご相談ください

タグ

おすすめ記事

お問い合わせ

Contact

各種お問い合わせは「お問い合わせ・お申込みフォーム」よりお受付をしております。 どのような些細なことでも、お気兼ねなくお問い合わせくださいませ。

お問い合わせ・お申込み

お問い合わせお問い合わせ・お申込みフォームへ

Contact