イギリスの葬送文化
前回のブログでは、日本だけではなくヨーロッパ各地でも「散骨」が新しい供養の形として注目されていることについてお話しました。
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そして今回は、特に「イギリス」に焦点を当て、その特徴や規制について詳しくまとめてみました。
イギリスの葬送文化の特徴としては、火葬が主流であることが挙げられます。約75%以上の人々が火葬を選択し、遺灰の取り扱いは遺族の意向に委ねられることが一般的です。
そして遺灰は従来の伝統的な埋葬から、「自然に還る」という想いを反映した散骨が広がりつつあります。
また、環境意識が高まる中で、「グリーン埋葬(自然埋葬)」といった環境に優しい方法も注目されており、イギリスならではの葬送文化が広がっています。
イギリスの埋葬と散骨に関する法的規制
1.埋葬に関する法的規制
イギリスでは、埋葬に関していくつかの法律が定められています。
・埋葬の場所
埋葬は通常、公営墓地、教会墓地、または私有地で行われます。私有地での埋葬を希望する場合、土地所有者の許可が必要であり、埋葬場所を地方自治体に登録する必要があります。
・環境保護
環境保護の観点から、埋葬の際に使用する棺や埋葬方法に関する規制があります。特に「グリーン埋葬」が推奨されるケースが増えています。
2.グリーン埋葬の特徴(自然埋葬)
イギリスでは、環境に配慮した「グリーン埋葬(Natural Burial)」が広がっています。イギリス全土で多くの自然埋葬地が運営されており、環境保護活動の一環として注目されています。
・環境に配慮した方法
故人の遺体に化学的な防腐処理を施すことを避け、自然環境への影響を最小限に抑えることが重要視されています。また、使用される棺や埋葬布には、環境に優しい生分解性素材が用いられます。それによって、遺体が自然に還りやすくなるだけでなく、土壌や水質への悪影響も防ぐことができます。
・自然との調和
グリーン埋葬では、埋葬地が森林や草原などの自然環境に設けられ、その美しい景観を保つために墓石や人工的な構造物を設置しないことが特徴です。そのため自然の風景を守りながら、環境への負荷を軽減することができます。また、従来の埋葬や火葬と比べて、グリーン埋葬は二酸化炭素の排出量が少なく、カーボンフットプリントの削減につながる、地球に優しい方法とされています。
3.散骨に関する法的規制
イギリスでは、散骨に関する明確な法律は存在しませんが、環境保護や公共の利益を考慮したガイドラインが設けられています。
・私有地での散骨
私有地で散骨する場合、事前に土地所有者の許可を得ることが必要です。許可なく散骨を行うと、法的な問題やトラブルに発展する可能性があります。
・公共の場所での散骨
公園や河川などの公共の場所で散骨を希望する場合、地元の自治体や管理団体に事前に相談し、許可を得ることが推奨されます。
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・環境への配慮
遺灰自体は環境に大きな影響を与えないとされていますが、散骨の際には環境への配慮が求められます。特に、水域での散骨の場合、遺灰以外の物品(花輪や個人的な遺品など)を投棄しないよう注意が必要です。このような物品は環境汚染や野生生物への害を引き起こす可能性があります。
参考:【イギリス政府公式ウェブサイト】
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イギリスの散骨文化
イギリスは、従来の伝統的な埋葬から、現代の価値観や環境意識を反映した供養方法へと発展しています。そしてそれは、故人が生前に愛した場所で散骨を行うことが一般的で、森林や湖、公園など自然豊かな場所が選ばれます。
また、海洋散骨も人気があります。特に、海にゆかりのある故人が選ぶことが多く、家族が船を借りて散骨セレモニーを行い、最期の時を過ごします。散骨は単に遺灰を撒くだけでなく、故人との思い出を自然の中で分かち合い、遺族の絆を深める大切な機会となっています。
イギリスの散骨文化は比較的自由度が高く、故人や遺族の希望を尊重した形で行える点が特徴的です。

イギリスの代理散骨サービス~自然の中で故人を偲ぶ
イギリスの散骨文化は、自然に還るという考えを大切にし、故人を偲びながら環境にも優しい新しい供養の形として広がっています。また環境に優しいだけでなく、遺族にとっても心の安らぎを与えるものとなっています。
散骨は、遺族が自然の中で故人を思い出し、心をつなげる特別な方法です。
そして散骨地は、故人を訪ねる場所としてだけでなく、新たな集いの場にもなります。
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自然の中で故人を偲ぶ時間は、遺族にとってのリフレッシュや癒しの時間ともなり、従来のお墓参りとはまた違う価値があるでしょう。
そして海外のリゾート地で散骨を行っている弊社、「海と森のセレモニー」では、イギリスの代理散骨も行っています。現地のルールを守りながら、遺族に代わって自然の中に故人を送り出すお手伝いをしています。
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