手元供養とは~メリットとデメリット・手元供養品の種類~

執筆者:Tomo

手元供養とは~メリットとデメリット・手元供養品の種類~

目次

手元供養で故人を偲ぶ

近年、少子高齢化や核家族化によって、従来のお墓に対しての考えが多様化しています。
そのような中で、故人の遺骨をお墓ではなく「置物」や「アクセサリー」などに納め、身近な場所で偲ぶ「手元供養」が広がりを見せています。

手元供養は、従来のお墓と比べて費用が抑えられ、維持管理の負担もなく、亡くした人を常に身近に感じられることができることで人気となっています。そして明確な決まりや宗教的な制約を受けないため、自由なかたちで供養することができます。

手元供養が登場したのは2000年代に入ってからと言われていて、大切な人の遺骨を身近な場所で心の拠り所としながら故人を偲ぶという、比較的新しいスタイルの供養方法です。

そしていつまでも大切な人と一緒に過ごせる弔いのかたちとして定着しつつあります。
故人への深い愛情のために「離れたくない」「ずっと一緒にいたい」という想いを持っている人も少なくありません。こうした想いを叶え、悲しみから立ち直るための供養のかたちとして、手元供養は受け入れられているのです。

手元供養には、遺骨や遺灰の全てを保管する「全骨安置」と、一部だけ保管する「分骨安置」の方法があります。お墓へ納骨をする前に、手元供養品へ一部の遺骨を分骨するかたちが一般的とされています。

先日お亡くなりになった「電撃ネットワークの南部虎弾さん」の沖縄での散骨セレモニーの際、参列者たちが手元供養をするために、遺灰の一部をカプセル型ロケットに納めていました。

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ペンダント

手元供養のメリット

・故人の存在を身近に感じられる


手元供養の最も大きなメリットは、故人をいつでも身近に感じることができることです。

大切な人を亡くす悲しみや喪失感は計り知れないほど深く、傷ついた心は簡単に癒えるものではありません。そして二度と会えないのであれば、せめて遺骨だけでもいつでも故人を感じられる場所にあって欲しいと考えることは、自然な心情と言えるでしょう。

また大切な人の遺骨を納骨することに寂しさを感じる人もいます。
手元供養であれば遺骨を手放す必要がないため、寂しさが軽減するかもしれません。そして遺骨が身近にあることで「故人に見守られている」と感じ、グリーフケアの一助となる可能性もあるでしょう。

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・経済的な負担が軽減できる


お墓や仏壇を新しく購入する場合、その費用は高額になります。またお墓の維持管理費を永続的に払わなければなりません。しかし手元供養は自宅で管理ができるので、維持管理費用は発生しません。手元供養に必要なものだけを買い揃えれば、それ以外に費用がかかることはありません。

・保管場所に困らない


手元供養品はコンパクトであることが多いので保管場所に困りません。大きなスペースを必要としないので、一人暮らしのアパートやマンションに住んでいる人に最適です。また手元供養品には様々なデザインのものがあるので、部屋のインテリアに合わせてみたり、自分好みのアクセサリーといったものを選ぶことができるでしょう。

手元供養のデメリット

・遺骨の管理が大変


手元供養には骨壷のまま保管する方法と、粉骨(遺骨を砕いてパウダー状にすること)して遺灰にした上で、通常の骨壷よりもコンパクトなミニ骨壷に入れて保管する方法があります。

しかし遺骨や遺灰は、高温多湿の場所で保管しておくと、カビが生えるなどして状態を損なうこともあるので注意しましょう。また自宅が災害被害を受けた場合、遺骨を失ってしまう可能性もあります。そのために、遺骨の一部をアクセサリーなどの手元供養品に納め、いつでも持ち出せるようにしておくと安心です。

・他の遺族の理解を得られない


「遺骨はお墓に入れて供養するもの」「遺骨を納骨しないと故人が成仏できず縁起が悪い」と考える人は多く、手元供養をしたくても家族や親族の理解を得られない場合があります。また遺骨を粉骨・分骨すること自体に抵抗を感じる人もいます。トラブルにならないためにもよく話し合いましょう。

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・お墓参りが難しい


お墓があれば家族や親族以外の人も自由にお墓参りができますが、手元供養で自宅に遺骨を保管してる場合、訪問してもらうしかありません。故人の友人や知人、また会社関係者は足が遠のいてしまう可能性もあります。

手元供養品にはどのような種類があるの?

・ミニ骨壺


ミニ骨壺は、持ち運びが容易なサイズで家庭のどこにでも置くことができ、故人を身近に感じながら日常生活の中で供養がしやすくなります。陶器、ガラス、金属などの素材があり、アート作品のような美しいデザイン、モダンでスタイリッシュなデザインのものが多くあります。また名前やメッセージを刻むことができるものもあります。自身の好みや故人のイメージに合わせて選ぶことができますね。また従来の骨壺に比べてサイズが小さいため場所を取りません。

・遺骨アクセサリー


故人の遺骨や遺灰の一部を納め、ペンダントやリング、ブレスレットなどのアクセサリーとして身につけることができます。これにより、いつでも故人を身近に感じることができ、安心感や癒しを得ることができます。シンプルなものから豪華なもの、クラシックなものまで、多種多様なデザインが存在します。また遺骨アクセサリーは、外から見ただけでは遺骨が納められていることがわからないように作られています。そのためプライベートな供養をすることができます。

大切な人を失った悲しみが深い時期において、遺骨アクセサリーは精神的な支えとなることが多いのです。「心が空っぽになっていた時に前向きな気持ちにしてくれた」という話を聞いたことがあります。

・ミニ仏壇


従来の仏壇のような大きくて重厚で堅苦しい印象を与えず、現代の生活スタイルに自然に溶け込みます。現代の人々の生活スタイルやインテリアにも馴染むミニ仏壇は、大切な人を偲ぶ場所に最適です。カジュアルでリラックスした雰囲気の中で供養を行うことができるでしょう。また色や材質、装飾品などを自由に選択でき、自分らしい空間を演出できる特別な仏壇を作ることができます。そしてミニ仏壇は従来の仏壇に比べて価格が手頃であり、費用を抑えられます。

・遺骨キーホルダーやカプセル


小さなカプセルの中に遺骨を納め、バッグやポーチにつけて持ち運べるキーホルダータイプの手元供養品もあります。

宝飾品

手元供養と散骨

先にも述べましたが、遺骨や遺灰の全てを保管する「全骨安置」と、一部だけ保管する「分骨安置」の方法があります。

分骨安置の場合、遺骨の一部のみを手元に残すので、残りの遺骨を別の方法で供養する必要があります。また全骨安置と分骨安置どちらの場合でも、遺骨の管理が困難になった際の対応について、事前に検討しておく必要があります。

管理できなくなった遺骨を、自宅の庭に埋葬してしまう場合が稀にあるそうですが【墓地、埋葬等に関する法律】で禁じられていて法律違反となります。

そして近年では、遺骨の管理が困難になった場合や、分骨した遺骨を「散骨」する人が多くいます。散骨とは故人の遺骨を海や森などの自然に還すことです。
手元供養と散骨の両方を行うことで、遺族がそれぞれ自分のスタイルで故人を偲ぶことができるでしょう。また散骨では故人が好きだった場所や自分が訪れたい場所に散骨することが可能です。
しかし日本国内・海外共に、自治体によって散骨を禁止している場所もあるため、散骨してもいい場所かどうかの確認は必ず行いましょう。また確認が取れない場合は散骨業者に問い合わせてみましょう。

関連記事:【散骨できない場所~条例規制やマナー~

弊社では美しい自然溢れる「海外リゾート地」で散骨を行っております。
エメラルドグリーンの海や雄大な森林へ散骨し、また「お墓参り」としてその地へ故人に会いに行き、そこで過ごすことで故人を偲びながら自身の心の癒しにもなることでしょう。

関連記事:【海外リゾート散骨の魅力~フィリピン・フィンランド・オーストラリアでの散骨と供養~

関連記事:【海外リゾート散骨と海洋散骨の魅力

関連記事:【フィリピン・セブ島での散骨とお墓参り~故人を弔い旅行も楽しもう~

海外リゾート地での散骨は悲しみを癒すための理想的な場所でもあり、新たな気持ちで日常に戻ることもできます。また弊社では、手元供養で管理が難しくなった遺骨を「無償で散骨」することも承っております。

手元供養と散骨は、それぞれ異なる供養方法でありながら、併用することで互いに補う関係性を持っています。故人を偲びながら自身の心の平安を保つことに繋がるかもしれません。そして故人を自然へ還し、その場所へお墓参りとして訪れることは、遺族にとって特別な思い出を作ることができるでしょう。

まとめまとめ

1.近年従来のお墓に対しての考えが多様化し身近な場所で故人を偲ぶ手元供養が人気

2.手元供養のメリットとして故人をいつでも身近に感じることができることや経済的な負担が軽減できることがある

3.手元供養のデメリットとして遺骨の管理が大変だったり遺族の理解を得られないことがある

4.手元供養品にはミニ骨壺や仏壇、遺骨アクセサリーやキーホルダーがある

5.手元供養と散骨の両方を行うことで遺族がそれぞれ自分のスタイルで故人を偲ぶことができる

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