散骨の手続きと必要書類~業者に頼むときの流れ、墓じまい後の散骨と改葬許可、粉骨まで~

執筆者:Tomo

散骨の手続きと必要書類~業者に頼むときの流れ、墓じまい後の散骨と改葬許可、粉骨まで~

目次

散骨の手続きは難しい?よくいただく疑問

散骨を考えはじめた方から、よくいただく質問があります。

Q:散骨をするのに、役所への届け出や許可はいりますか?

A:国の許可や届け出はいりません。ただし、ご遺骨の身元を確かめるための書類は必要です。

Q:火葬のあとすぐに、すべてのご遺骨を散骨できますか?

A:できます。散骨の時期も自由に決められます。ただし、散骨の前には必ずご遺骨を粉状にする「粉骨」が必要です。

Q:お墓に納めているご遺骨を、墓じまいして散骨することはできますか?

A:できます。お墓の管理者や役所とのやりとりが加わるので、火葬後すぐに散骨する場合より手順が増えます。

手続きと聞くと身構えてしまいますが、流れがわかれば一つひとつは難しいものではありません。今回は、散骨の法律上の位置づけと、業者に頼むときの流れ、必要な書類を整理します。墓じまいをして散骨する場合の手続きや、粉骨についてもご紹介します。

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散骨の法律上の位置づけと、業者に頼むときの流れ

散骨に国の許可はいらない

お墓への埋葬や納骨は、「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」で手続きが決められています。一方、散骨はこの法律が想定していない方法で、散骨そのものを許可する国の制度はありません。

1991年には、法務省の側から「節度をもって葬送の一つとして行われる限り、遺骨遺棄罪にはあたらない」という趣旨の考えが示されたと報じられ、これが散骨が広がるきっかけになりました。ただし、法務省が文書で示した公式見解ではないとされていることには注意が必要です。

その後、厚生労働省は、令和2年度(2020年度)の研究事業の成果として「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」を示しました。焼骨を粉状に砕くこと、海岸から一定の距離以上離れた海域で行うことなどを、業者が守るべき事項として示しています。

また、自治体によっては、条例で散骨を禁止したり、場所を制限したりしています。国の許可はいらなくても、散骨する場所の決まりは前もって確かめておく必要があります。

関連記事:【散骨できない場所~条例規制やマナー~】

業者に頼むときの流れと必要な書類

散骨を業者に頼む場合、おおまかには次のような流れで進みます。

1.業者を探して、問い合わせる


どこで、どのように散骨するのか、費用はどれくらいかを、いくつかの業者で比べます。気になる業者には、電話やメール、問い合わせフォームで連絡し、希望の場所や散骨の方法、立ち会うかどうかを伝えましょう。弊社では、メールやビデオ通話での打ち合わせに対応しています。

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2.見積もりを確かめて、書面で契約する


見積もりの内訳を確かめ、約款や契約書をよく読んでから申し込みます。厚生労働省のガイドラインでも、散骨の契約は書面で行い、費用の明細書を添えることが求められています。

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3.必要な書類をそろえる


散骨に国の許可はいりませんが、業者はお預かりするご遺骨の身元を確かめるために、書類の提出を求めるのが一般的です。おもに次のようなものがあります。

・火葬許可証(埋葬許可証)、火葬証明書、分骨証明書(分骨許可証)など

死亡届を出すと、役所から火葬許可証が交付されます。火葬が終わると火葬場が「火葬済み」の印を押して返してくれ、これがお墓に納骨するときの「埋葬許可証」の役割を果たします。散骨のときも、この書類でご遺骨の身元を示すことが多いです。

・申し込む方の本人確認書類

運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどです。

・ご遺骨の所有者であることを示す書類(必要な場合)

お墓から取り出したご遺骨などで、申し込む方との関係がわかりにくい場合は、戸籍謄本などを求められることがあります。

弊社では、「火葬証明書」「火葬許可証」「分骨許可証」などのうち、いずれか1点をお預かりしています。海外へご遺骨を持ち込むために、国によっては戸籍謄本などの書類が追加で必要です。書類の名前は自治体によって違うことも多いため、取得の方法からご案内しています。

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4.ご遺骨を預けて、粉骨する


ご遺骨は、業者が引き取りに来るか、郵送で預けるのが一般的です。ゆうパックでは、ご遺骨を送ることができます。預けたご遺骨は、散骨の前に粉骨されます。

5.散骨を行い、散骨証明書を受け取る


立ち会う場合は当日の流れに沿って、ご家族の手で散骨します。業者に任せる場合は、後日、散骨の日時や場所を記した散骨証明書や写真が届きます。

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リゾートの海

墓じまいをして散骨する場合の手続き

「お墓を継ぐ人がいない」「遠くてお参りに行けない」。そんな理由から、墓じまいをしてご遺骨を散骨する方が増えています。この場合は、お墓を片付けるための手続きが加わります。おおまかな流れは次のとおりです。

1.家族や親族と話し合う


先祖代々のお墓には、さまざまな想いを持つ方がいます。墓じまいと散骨を考えていることを早めに伝え、理解を得てから進めましょう。

2.お墓の管理者に伝える


お寺や霊園の管理者に、墓じまいをしたいことを伝えます。お寺にお墓がある場合、檀家をやめる「離檀」にあたるため、離檀料を求められることがあります。離檀料には明確な基準がないとされ、金額に納得できないときは、お寺と話し合うことになります。これまでの感謝を伝えながら、相談するとよいでしょう。

3.役所での手続きを確かめる


ご遺骨をほかのお墓や納骨堂へ移す「改葬」では、役所の改葬許可が必要です。一方、取り出したご遺骨を散骨する場合は、厚生労働省の見解として、改葬許可はいらないとされています。

ただし、実際の扱いは自治体によって違います。改葬許可証を発行しない自治体もあれば、お墓の管理者がご遺骨を引き渡す条件として書類を求めることもあります。墓地がある自治体の窓口と、お墓の管理者、散骨業者の3か所に、前もって確認しておくと安心です。

4.閉眼供養をして、ご遺骨を取り出す


閉眼供養(へいがんくよう)は、お墓から魂を抜くための法要で、「魂抜き」とも呼ばれます。仏教の考え方に沿った儀式なので、宗派やお寺の考えに合わせて行いましょう。そのあと、石材店がご遺骨を取り出し、墓石を解体・撤去して、区画を更地に戻して返します。

5.ご遺骨を洗浄・乾燥し、粉骨する


長くお墓に納められていたご遺骨は、湿気を含んでいたり、土や汚れがついていたりすることが多いものです。粉骨の前に洗浄や乾燥が必要になることがあり、その分の費用がかかる場合もあります。取り出したご遺骨は、業者に預けるまで湿気の少ない場所で保管しておきましょう。

墓じまいには、墓石の解体・撤去費用、閉眼供養のお布施、離檀料などもかかります。費用の目安や、自治体の補助制度は次の記事で紹介しています。

関連記事:【墓じまいの費用と方法~墓じまい後の供養まで~】

関連記事:【墓じまいの補助金・助成制度とは?市川市・浦安市・太田市の例と費用を抑えるポイント【2026年版】】

火葬後すぐに、すべてのご遺骨を散骨してもいい?

ご遺骨をすべて散骨することも、一部だけを散骨して残りを手元に置くこともできます。散骨の時期にも決まりはありません。四十九日や一周忌に合わせる方もいれば、気持ちの整理がつくまで手元に置いておく方もいます。

ただし、火葬したままのご遺骨をまくことはできません。厚生労働省のガイドラインでも、焼骨は形がわからないよう粉状に砕くこととされています。

刑法第190条は、遺骨を「損壊し、遺棄し、又は領得した者」を罰すると定めています。

死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の拘禁刑に処する。出典:刑法 第190条

粉骨はご遺骨を砕く行為ですが、葬送のために節度をもって行う限りは、この罪にはあたらないと考えられています。形が残ったままご遺骨をまくと、遺骨遺棄にあたるおそれがあるため、粉骨は欠かせない工程です。

粉骨はご自身で行うこともできますが、身内のご遺骨を砕くのはつらいと感じる方も多く、業者に頼むのが一般的です。弊社では、6寸の骨壺までのご遺骨を15,000円、7寸を25,000円で粉骨しています。

関連記事:【自分で粉骨する方法とは?必要な道具と手順、散骨の前に家族で考えておきたいこと】

関連記事:【分骨手続きのポイント~手順から注意点まで~】

流れを知って、落ち着いて準備を

散骨には国の許可はいりませんが、ご遺骨の身元を示す書類や、散骨する場所の決まりの確認は欠かせません。墓じまいをして散骨する場合は、お墓の管理者や役所とのやりとりも加わります。

手続きの細かな部分は、業者や自治体によって違うこともあります。わからないことは一つずつ確かめながら、ご家族のペースで準備を進めていけば大丈夫です。

散骨はご遺骨を捨てることではなく、故人を自然へ還し、想いを託す見送り方です。手続きや書類のことで迷ったときは、疑問をそのままにせず、まずはお気軽にご相談ください。

関連記事:【自分で散骨を行う際の手続きと注意するポイント】

参考:
散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)(厚生労働省)
墓じまいに関する情報収集結果(総務省 東北管区行政評価局)
墓地、埋葬等に関する法律(e-Gov法令検索)
刑法(e-Gov法令検索)
【見守り情報】墓じまい 離檀料に関するトラブルに注意(熊本市)

まとめまとめ

1.散骨に国の許可や届け出はいらない。ただし、自治体の条例で散骨が禁止・制限されている場所があるため、前もって確かめる

2.業者に頼むときは、問い合わせ → 見積もりと書面での契約 → 書類をそろえる → 粉骨 → 散骨と散骨証明書の流れで進む

3.業者には、ご遺骨の身元を示すために火葬許可証(埋葬許可証)や火葬証明書などを提出するのが一般的

4.墓じまいをして散骨する場合、改葬許可はいらないとされているが、扱いは自治体や墓地の管理者によって違うため、窓口・管理者・業者に確認する

5.火葬後すぐに、すべてのご遺骨を散骨することもできる。ただし、散骨の前には必ず粉骨が必要

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