海外散骨事情~オーストリア編~

執筆者:Tomo

海外散骨事情~オーストリア編~

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オーストリアでの散骨と自然葬

美しい自然と歴史ある都市が共存するオーストリアでは、近年、遺灰を自然に還す「自然葬」への関心が高まっています。

しかし実際には散骨に対する法律や規制が厳しく、自然環境(森林、川、山など)への散骨は全面的に禁止されています。そのため、オーストリア国内で故人を自然へと還す場合には、指定された墓地や自治体が許可した特定の自然埋葬地においてのみ可能となっています。

日本においても自然葬への関心が高まり、散骨や樹木葬を選択する人が増えてきていますね。

オーストリアの具体的な散骨規制と許可される場所

オーストリアでは、伝統的に、故人の遺骨は墓地に埋葬されることが法律上義務付けられており、私有地や公共の自然環境での散骨は厳格に禁じられています。こうした規制の背景には、環境保護、住民感情への配慮、文化的および宗教的な理由が存在しています。

ただし近年、「自然との共生」をテーマにした自然埋葬の需要が高まり、自治体が指定する「自然埋葬地(樹木葬地)」では、正式な許可を得れば、遺灰を自然環境に近い形で埋葬することが可能です。

具体的な許可地としては、以下の場所があります。

1.ウィーンとその周辺


・クロスターヴァルト・ウィーン=カーレンベルク
・ウィーン中央墓地のヴァルトフリートホーフ
・シュタンマースドルフ中央墓地

2.ローワーオーストリア


・クロスターヴァルト ハイリゲンクロイツ
・プルカースドルフのパックスナチュラ「フェイラーヘー」

3.アッパーオーストリア


・パクスナトゥーラ ヴァルトフリートホフ ティリスブルク
・フリードヴァルドクラム

4.ザルツブルク


・パクスナトゥーラ カスタニエンヴィーゼ

5.スティリア


・クロスターヴァルト インゲリング湖
・フリートヴァルト・シェックラント

6.チロル


・クンドルの永遠の森

自然葬を希望する人々が増える理由

なぜオーストリアで自然葬への関心が高まっているのでしょうか。その理由の一つとして、現代人のライフスタイルや価値観の多様化が挙げられます。従来の伝統的な墓地への埋葬にとらわれない、自由で環境にやさしい埋葬方法を求める傾向が強まっているのです。

日本においても同様の傾向が見られ、特に核家族化や少子化によって、先祖代々のお墓を継承することが困難になり、お墓の管理負担を軽減するために散骨や樹木葬が選ばれるようになっています。

特に海洋散骨や樹木葬は、故人が自然に還ることができる新しい供養の形として多くの支持を得ています。さらに、故人の遺志や思い出の場所、憧れの国などで供養したいという願いから、散骨を選択するケースも増えています。

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また、自然葬がもたらす「自然との一体感」や、「故人が自然の一部となり永遠に生き続ける」という想いは、多くの人々に精神的な癒しや慰めを与えています。このような心理的、感情的な背景もあり、オーストリアにおいても自然埋葬地への需要が今後ますます増加していくことでしょう。

オーストリア以外の散骨の検討

オーストリアで自然葬を行うためには、指定された自然埋葬地で正式な手続きと許可が必須です。

具体的な手続きとしては、自治体や施設管理者との事前協議、火葬証明書の提出、書類作成などがあり、事前に専門業者や施設への問い合わせが必要です。

また、オーストリアでは散骨そのものは許可されていないため、自由な散骨を希望する場合は他国を検討する必要があります。

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その際も現地の法律や文化をよく確認し、故人の想いや遺族の心情に寄り添った最適な場所を選ぶことが大切です。

散骨に関するご質問やご不安な点がありましたら、お気軽に弊社までご相談ください。経験豊富なスタッフが心を込めてお手伝いいたします。

まとめまとめ

1.オーストリアでは散骨は規制され、指定の自然埋葬地でのみ許可されている

2.オーストリアでは、クロスターヴァルト・ウィーン=カーレンベルクやウィーン中央墓地のヴァルトフリートホーフなどでのみ自然葬が可能

3.オーストリアや日本で自然葬が注目される背景には、価値観の多様化や墓地管理負担の軽減、自然への回帰願望などがある

4.オーストリアで自然葬を行うには指定地での正式な手続きが必要であり、自由な散骨を希望する場合は他国を検討することも大切

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